第7話 申告いろいろ。必要書類の違いと、青色申告の「ウラワザ」
白色申告、青色申告の違い
青色申告は必要な提出書類が多くて計算も複雑な代わりに、高い節税効果が魅力でしたね。白色と比べて、具体的にどんな書類の違いがあるんですか?
では今回は、申告に必要な書類の違いを見ていきましょう。書き方や計算方法など細かい説明は全部後にして、まずは実際の物を見て比べてみましょうか。今はまだ「最終的にこんなものを作成するんだな」、程度の理解で大丈夫です。
※は白色申告、青色申告のどちらにも必要な書類を表す。
①確定申告書B 第一表および第二表 ※
②添付書類台紙(マイナンバーカードのコピーや源泉徴収票などを貼り付けます。その他、国民年金や保険の控除書類も用意しましょう。) ※
③収支内訳書
①の確定申告書はAとBの2種類がありますが、Aは一般に会社員、アルバイト、パートの方(所得が給与所得、雑所得、配当所得、一時所得のみの方)が使用する様式のため、フリーランス音楽家(個人事業主)は確定申告書Bを使用します(Bは所得の種類によらず誰でも使用可)。
上記の書類は全て、国税庁のホームページから用紙をダウンロードすることで入手できます。また、ご自宅の近くの税務署に直接取りに行くこともできます。開業届を提出した年、または、最初の確定申告を済ませた翌年からは、毎年これらの書類がご自宅に届くようになります。おそろしいね。
①確定申告書B第一表および第二表(平成29年度分)
②添付書類台紙(平成29年度分)
③収支内訳書(白色申告のみ)
※国税庁ホームページからダウンロードできる申請書類は、毎年12月にその年度分の書式が公開されます。記入前に年度を確認し、必ず最新の書式のものを使用しましょう。
白色申告の場合は、基本は上記3点を作成することがゴールになります。続いて青色申告に必要な提出書類を見ていきましょう。
※は白色申告、青色申告両方のどちらにも必要な書類を表す。
①確定申告書B 第一表および第二表 ※
②添付書類台紙 ※
④損益計算書
⑤貸借対照表
④と⑤を合わせて特に「青色申告決算書」と呼びます。
その他、これまでにお話ししてきた純損失繰越しや平均課税など特別な制度を適用したい場合は、別途追加の書類を税務署、またはダウンロードで入手し作成する必要があります。
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おや、どうしました?
白色だって結構書くのが難しそうなのに、青色なんてさっぱり・・・。青色申告にチャレンジしたら手間取って期限に間に合わない、なんてことになったらどうしよう・・・。
・青色申告は、損益計算書を出すだけでも10万円の所得控除が受けられます!
・貸借対照表の作成には、複式簿記による複雑な計算が必要になりますが(作成する場合は確定申告ソフトを活用するのが良いでしょう)、損益計算書は家計簿レベルの帳簿でも作成することができます。
とはいえ、初めての確定申告ではまず確定申告の全体の流れを把握することが大事ですから、最初は白色申告、翌年以降だんだん慣れてきたら10万円控除青色申告→65万円控除青色申告、という風にひとつひとつステップアップしていくのも一つの手です。
今回のタイトルにあったウラワザってこういうことだったんですね。今年はまだ所得が少ないので、やっぱり、今年はまずは白色で申告してみようかな。。。
次回・・・第8話 「フリーランス」を宣言しよう!開業届と青色申告承認申請書