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音大卒SEの日記

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音大卒で会社入ってみた

「音大卒」は本当に武器になるか

私が大学1年の時にこんな本が出て、結構話題になったんですよね。

「音大卒」は武器になる
・大内孝夫(著)
ヤマハミュージックメディア(出版)
・196ページ

このブログの読者のみなさまの中には、「あ、読んだことある」「聞いたことある」っていう方も少なくないんじゃないでしょうか。私も現役のプロ奏者の方々からオススメされたり、合宿のジェンガゲームの景品になったり、大学の図書館に置いてあったりしてよく見かけていました。3年生になってから、図書館で借りて読みました。

 

著者の大内先生は慶應義塾大学経済学部を卒業されてから銀行に長く勤められ、前職を退職後、現在武蔵野音大でお勤めされている方です。めちゃくちゃエリートじゃないですか!?!?著書の文章からも、音大生への深い愛情とエールが伝わってきます。とても読みやすい文章でさら~~っと読めるのでオススメします。

 

著書の中に登場する音大生像は、若干美化されている感じが現役生だった私からは感じたので、ここからは私の実体験、実際会社に入ってみてどうだったかという話を良かったこと悪かったことのジャンルで話します。就活の時の話についてはまた別の記事で書こうかな~~と思っていますが忘れるかもしれません。

音大卒で会社入ってみた

 
 
 

サラリーマンも悪くねえ~~~~~~~~!!!!

 

以上が総合的な私の率直な感想です。

Twitter見てると、私のTLにはブラック企業の話とか、海外の企業はこんなに給料がいいのに日本はとか、たびたび流れてくるんですよね。もちろん実際日本の労働環境で問題になっていることは多いので、解決に向けて声を上げていくべきでしょう。

でも、実際はそんな会社ばかりじゃありません。就活の段階から私たちの話や経験に大いに興味を持ってくれて、私のような副業演奏家を目指す人にとって、とても環境の整った会社は、会社名の有名無名関係なく、あなたが身近に、あるいは無意識に利用しているサービスを提供している会社の中にも多く存在します。

 

良かったこと①経済的な心配が無くなった

まずは安定した収入があること。収入の多少ではなく、最低限の決まった金額が毎月確保されているという安定です。安定的な収入は精神の安定につながって、良い仕事へのモチベーションになります。

良かったこと②会社が演奏の機会をくれる

会社では、上半期(4月〜9月)に入るタイミング、下半期(10〜3月)に入るタイミング、その他忘年会や新年会など、区切りとなる時期に「頑張るぞ会」や「お疲れ様でした会」をやるんですよね。会社でやったり、ちょっとした会場を借りたりして。私が入社した某IT企業では、音大生の採用が過去にほとんど例が無かったため、こうした場での演奏の仕事というのは私の独占市場なわけです。私も皆さんに喜んでいただいてもっと活躍の場を広げられるように、一生懸命練習しています。帰りにカラ鉄に寄って。カラ鉄ホーダイっていう月額1500円で使い放題になる(ドリンク別料金)サービス最高です。

良かったこと③休みが一定なので合わせの予定が立てやすい

土日祝がお休みなので、本番をする際の伴奏合わせの予定が立てやすいです。これはもしかしたら学生の時より立てやすくなったかも・・?もちろん伴奏合わせに限らず遊びや帰省の予定も同様です。有休も自由に取得できるので、どうしても土日祝だけでは合わせの回数が十分に取れないときは積極的に有休を使います。

良かったこと④周囲に余裕のある大人が多い

今の職場、実はクラシック音楽を日常的に聴く人口がすごく少ないので、私が職場で、大学時代のように積極的に音楽の話をしたりコンサートの話をすることはありません。しかし、お話を伺うと「オーケストラとかオペラとか、1度は行ってみたいけど何に行ったらいいかわからないんだよね」という方がすごく多いです。

ディズニーはディズニーリゾートを知り尽くした友達と一緒に行くとより効率的に回れて楽しいように、食べ放題はフードファイターと一緒に行くと盛り上がるように、詳しい人と行くと始めて行くところでもなんか安心だし、楽しめそうな感じがしますよね。年次が離れていたとしても、仲の良い先輩社員にオーケストラのコンサートやオペラ、バレエにお誘いLINEすると、秒で「行く!席は任せた!」とお返事をくださいます。まじでありがたい・・。

 

誰かと出かけると楽しい

良かったこと⑤音楽界を外から見つめなおせる

よく、海外に行くと日本の良さ、悪さが改めてわかるよって言われるんですけど、まさにそんな感じです。世の中のシステムやバランスの中において、音楽家が担う役目ってなんだろう、何が求められていて何ができるんだろうということを改めて見つめなおすきっかけになりました。専業のプロの音楽家が、それぞれの専門分野の関係者へのマネジメントやアプローチの仕方と、副業演奏家の私が社内に向けて行うマネジメントやアプローチには何か違いが出てくるのか、これからよく見ていきたいと思います。

 

悪かったこと 憧れの舞台には立てない

社会人オーケストラもたくさんあるので、そういった団体に所属して東京芸術劇場や、すみだトリフォニーホールなどの立派な会場でオケ演奏の経験を続けることはできるでしょう。それも楽器を続けていたからこそ手に出来る経験や出会いであり、貴重で価値あるものです。しかし、全員が厳しいオーディションやコンクールを制覇したプロのオーケストラや吹奏楽団などで、プロの演奏をお客さんに届けることは叶いません。実感として100%無理でしょう。(しかし悲しいかな、フリーランスとして長く音楽家を続けていればいつかなれるかというともちろんそんなことはない・・。)

音楽を通して実現したいことは何か

私は小学校3年生のときから楽器をはじめ、それから大学4年生まで実に15年間も生活の中心は音楽で、プロのオケマンになりたくて音大に入ったんですが、今こうして会社員になってて残念な気持ちが無いのかと聞かれると、私の場合はありません。

 

詳しくは私が音大3年生、就活時代の話の時に書こうと思うんですが、就活しようか大学院に行こうか迷ってた時期に、自分が演奏活動をする目的はなんだろうとちょっと考えて、その結果が、例えば自分のCDを販売したりリサイタルを開いたりして、何かしら自分の生きた証みたいのを世の中に残すことだと結論付けたんですよね。で、就活の参考に日経ビジネスのIT系の雑誌を眺めてたら、なんと私の兄がほぼ1人で作り上げたシステムが大きく取り上げられてて、「あ、こういう残し方もあるのか」と気づいて、そこからの方向転換は自分でもびっくりするくらいスムーズにいきました。お兄ちゃんお前えらくなったな~~と思いました。

 

音楽じゃないと実現できないのか、音楽以外でももしかしたら実現できる手段があるのではないか、という着眼点は、ひとつ将来を考える上でポイントではないでしょうか。

サラリーマンも悪くない

 

 

今の生活は楽しい~~~~~~~!!!!

 

 

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